鉄筋コンクリート造・RC造 賃貸住宅用語集
鉄筋コンクリート造・RC造とは、鉄を細く伸ばした鉄筋で補強されたコンクリートを主要な柱や梁に使用した建物のことです。
コンクリートの気密性や遮音性能を生かすことで、住戸の独立性を保ちやすくなるという特徴があります。
鉄筋コンクリート造・RC造には、壁と床や屋根の面を組み合わせて作る壁式構造と、柱と梁で作るラーメン構造があります。
ラーメン構造の鉄筋コンクリート造は、鉄骨造と同様に壁の位置が比較的自由に出来るので、広い部屋を作りやすく、室内の間取りも自由になりやすいという特徴があります。
壁式構造の鉄筋コンクリート造は、壁の位置に制限が出やすいのですが、柱や梁の出っ張りがなくなるので室内が使いやすくなるという特徴があります。
鉄筋コンクリート造・RC造は、コンクリートの耐火性能や遮音性能や気密性を生かしつつ、鉄筋で補強しているので強度も強いという特徴があります。
熱に弱い鉄筋をコンクリートで保護しているので、特に火災には強くなります。
下階や両隣への音漏れについても、コンクリートの遮音性の高さが期待できます。
隙間もほとんど無いために、鉄筋コンクリート造・RC造は音漏れしにくい作りともいえるのです。
ただ足音など強く叩くような音については、響いて音漏れしやすくなることもあるので、過信は禁物です。
鉄筋コンクリート造・RC造は、室内の温度環境についてはあまり良くありません。
コンクリートが熱を蓄えやすいために、壁や屋根のコンクリートに溜まった暑さや寒さが、室内でも感じられてしまう傾向があります。
柱や梁の出っ張りについては、壁式構造では気になりませんが、ラーメン構造では気になります。
鉄骨造よりも柱や梁が大きくなるので、室内に出で来る部分も大きくなってしまうのです。
鉄筋コンクリート造・RC造は、地震や台風に対して強さを発揮します。
特に台風に関しては、建物自体が風に揺らされることはほとんどありません。
2階建て以上の場合は構造計算によって、強さを計算した上で建物を造ることになるので、地震や台風に対する強さを確保しやすい構造なのです。
ただ鉄筋コンクリート造・RC造のラーメン構造においても、1981年以前の建物は地震に対する強さの点では注意が必要です。
それ以降の建物であれば、地震に対する強さの点では安心できます。
また壁式構造も通常の設計ではかなり強度に余裕が生じるので、1981年以前の建物でも最新の建物に要求される強さを確保できていることも多いのです。
そこで鉄筋コンクリート造・RC造のラーメン構造で1981年までに建てられた物件については、耐震診断と呼ばれる建物の地震に対する強さの診断や、耐震補強と呼ばれる建物の地震対策が行われていることを確認したほうがいいでしょう。